ブラジル・サンパウロ州で発生した「紐なしバンジー事故」が世界中に衝撃を与えている。
2026年6月13日、21歳の女子学生マリア・エドゥアルダ・ロドリゲス・デ・フレイタスさんが、約40メートルの橋からロープが装着されていないまま投げ出され死亡した。
事故の瞬間は動画に残され、「ロープがない!」という叫び声も記録されている。
その後の捜査では、単なる確認ミスでは済まされない事実が次々と判明。
運営会社は無許可営業の疑いが浮上し、事故直後には証拠となるGoProカメラが現場から消失。
関係者の逮捕者も6人に拡大するなど、事件は「重大業務過失」ではなく組織ぐるみの疑惑へと発展している。
約40メートルの橋で起きた「紐なしバンジー事故」

事故が起きたのはブラジル・サンパウロ州リメイラ市にある廃線跡の鉄橋「ポンテ・ド・エスケレート(Skeleton Bridge・骸骨橋)」。
高さは約40メートル(約131フィート)。
当日は約100人規模が参加するロープジャンプイベントが開催されていた。
マリアさんはスタッフ2人に両腕・両脚を持ち上げられ、いわゆる「スーパーマンスタイル」で橋の外へ投げ出された。
しかし、安全ロープは橋の上に置かれたままで、身体には一切接続されていなかった。
現場で撮影された動画には、女性が落下した直後に「Guys! The rope!(ロープがない!)」と叫ぶ声が記録されており、この映像は世界中へ拡散された。
婚約を控えていた21歳女性 夢は教師になることだった

亡くなったマリア・エドゥアルダ・ロドリゲス・デ・フレイタスさんは21歳。
体育教師を目指して大学で学んでおり、近く婚約者との結婚も予定していた。
事故当日も自身のSNSで「橋から飛ぶなんて、誰が私にこんなことをさせたの?」と冗談交じりに投稿し、この体験を楽しみにしていたことが分かっている。
家族によれば、将来は子どもを育て、祖父母に孫の顔を見せることを夢見ていたという。
現場で何が起きたのか 最後の安全確認が存在しなかった


通常のバンジージャンプでは
- ハーネス装着
- ロープ接続
- 二重確認
- 最終確認
- ジャンプ
という複数段階の安全確認が行われる。
しかし今回の事件では、その最も重要な「ロープ接続」が行われないままジャンプが実施された。
逮捕されたスタッフらは事情聴取で「誰がロープ担当だったのか覚えていない」「自分が付けたのか思い出せない」などと供述。
現場では担当者が曖昧で、安全確認の責任者も明確に決められていなかった実態が明らかになった。
最新情報 逮捕者は6人に拡大
事故当初は現場スタッフ3人が逮捕されたが、その後さらに3人が逮捕され、逮捕者は計6人となった。
新たに逮捕された人物について警察は
- イベント運営への関与
- 証拠隠滅への関与
- デジタルデータ削除への関与
などの疑いでも捜査を進めている。
ブラジル警察は、今回の事故を単なる過失事故ではなく「未必の故意による殺人」に近い重大事件として捜査している。
消えたGoPro 証拠隠滅疑惑も浮上
事件をさらに不可解にしているのがGoProカメラの消失である。
マリアさんは追加料金を支払い、ジャンプ映像を撮影するためGoProを装着していた。
ところが事故直後、次に飛ぶ予定だった男性参加者は「スタッフが遺体からGoProを外しているのを見た」と証言した。
その後GoProは現在も発見されておらず、警察は
- 証拠隠滅
- 映像データ削除
- カメラの持ち去り
についても捜査している。
ブラジル当局は、このGoPro映像が事故原因解明の重要証拠になるとみている。
無許可営業だった疑いも浮上
さらに捜査で判明したのは、運営団体が正式な認可を受けず営業していた疑いである。
ブラジル政府によると、このロープジャンプイベントは必要な許可を取得していなかった可能性が高いという。
つまり、
- 無許可営業
- 安全管理責任の欠如
- 教育不足
- マニュアル不備
これらが重なった結果として事故が起きた可能性が高まっている。
「骸骨橋」は撤去へ 過去にも事故が相次いでいた
事故現場となった「Skeleton Bridge(骸骨橋)」は以前から危険性が指摘されていた。
2024年には立ち入り防止用の溝やバリケードが設置されたが、不法侵入者によって撤去されていたという。
さらに近年は転落事故や自殺なども発生しており、市当局は今回の事故を受け、橋そのものを解体・撤去する方針を示した。
ネット上の反応
SNSでは怒りの声が相次いでいる。
- 「ロープ確認すらしないなんて信じられない」
- 「これは事故ではなく人災」
- 「GoProを隠したなら悪質すぎる」
- 「安全管理以前の問題」
- 「命を預かる資格がない」
一方で、ブラジル国内では高所アクティビティ全体の安全基準を見直すべきとの声も高まっている。
まとめ


今回の事故は、ロープを付け忘れた単純ミスでは片付けられない。
捜査が進むにつれ、
- 無許可営業疑惑
- 担当者不在の安全管理
- GoPro消失による証拠隠滅疑惑
- 逮捕者6人への拡大
など、組織全体の管理体制に重大な問題があった可能性が次々と明らかになっている。
スリルを提供する仕事だからこそ、安全確認は一切妥協してはならない。
今回の悲劇は、「恐怖」を売る事業者に求められるのは派手な演出ではなく、徹底した安全管理であることを改めて世界に突き付ける事故となった。

