2026年8月29日に東京都議会議員の辞職を表明した、さとうさおり氏が、わずか1週間後の9月4日に辞職を撤回した。
撤回動画で初めて明かした辞職理由は、身近な人物への暴行と、自身や大切な人に対する金銭的要求だった。
暴力や金銭要求があったなら、なぜ警察へ被害届を出さないのか。
なぜ議員を辞めることで解決しようとしたのか。動画を見た人から疑問の声が上がっている。
ただし、さとう氏は「被害届を出していない」とは発言していない。
警察への相談、被害届、告訴の有無を公表していないだけで、水面下で相談している可能性も残る。
この記事では、本人のYouTube発言を基に、警察対応を公表しない理由として考えられることと、辞職撤回後に起こり得る展開を整理する。
さとうさおり氏はなぜ議員辞職を撤回した?

さとうさおり氏は2026年9月4日、YouTubeで東京都議を辞職せず、活動を継続すると発表した。
8月29日の動画では「命を優先する」と述べるだけで、辞職を決めた具体的な事情を明かしていなかった。
しかし、撤回動画では次の出来事があったと説明した。
- 身近な人物が暴行を受けた
- それとは別に、自身や大切な人に対する金銭的要求があった
- 議員を辞める以外に事態を収める方法がないと思い詰めた
- 辞職表明後、国会議員や都議などから支援の連絡があった
- 相談を重ねる中で解決への道筋が見えた
- 政治活動を続けるため、大切な人物との関係を完全に断った
さとう氏は会派室の荷物を撤去し、貸与品も返却。
議会職員と辞職届を提出する時期まで相談していたとして、辞職は話題づくりではなく本気の決断だったと強調した。
一方、辞職届は正式に提出されておらず、東京都議の地位を失った後に復職したわけではない。
9月5日時点でも、東京都議会の公式名簿には現職議員として掲載されている。
なぜ警察に被害届を出さない?
理由①暴行を受けたのは本人ではない
さとう氏の説明では、暴行を受けたのは「身近な人」とされている。
実際の被害者が誰なのかは不明だが、さとう氏本人ではない以上、被害の詳細や被害届の提出を一方的に公表できない可能性がある。
被害者には、名前やさとう氏との関係を知られたくない事情があるかもしれない。
警察へ事情を説明することで、加害者との関係や私生活まで調べられることを負担に感じるケースもある。
警察庁は、被害者本人だけでなく家族や友人からの相談も受け付けているとしている。
しかし、さとう氏が相談できることと、被害者が刑事手続きを望むことは同じではない。
大切な人物との関係を完全に断ったとの発言も、相手のプライバシーや安全を守るため、今後は詳細を話せない可能性を示している。
理由②捜査や安全確保のため公表できない可能性
暴行や金銭要求の相手が現在も接触できる状況なら、詳細を公開することで被害者が特定され、再び危険にさらされる恐れがある。
警察や弁護士へ相談している場合も、証拠の保全や相手の行動確認のため、相談の事実を伏せることがある。
動画で証拠や相手の名前を公開すれば、名誉毀損やプライバシー侵害をめぐる別の争いに発展する可能性もある。
公人であっても、捜査前の段階で相手を名指しすることには慎重さが求められる。
理由③金銭要求だけでは犯罪と断定できない
金銭を要求されたという事実だけで、直ちに恐喝事件になるわけではない。
契約や借金、事業上の精算、交際関係の清算など、民事上の支払いを求める行為であれば、内容によっては犯罪にならない場合もある。
一方、「金を払わなければ危害を加える」「議員を辞めなければ秘密を公表する」など、脅迫を伴って金銭を要求した場合は、恐喝や恐喝未遂などが問題になる可能性がある。
さとう氏は金額、要求理由、相手の言葉、支払いの有無を明らかにしていない。
政治活動に関係する要求だったのか、個人的な人間関係の問題だったのかも分からない。
刑事事件に当たる内容だったのか判断できないことも、警察対応が見えない理由の一つとなる。
被害届と告訴は何が違う?
被害届は、犯罪の被害が発生したことを警察へ知らせる手続きとなる。
告訴は、被害事実を申告したうえで、加害者を処罰してほしいとの意思を示す手続きとなる。
警察への相談だけを先に行い、証拠や安全対策を確認してから被害届や告訴へ進むことも考えられる。
暴行罪は、被害者の告訴がなければ処罰できない親告罪ではない。
被害届がなくても、110番通報、目撃者の証言、映像、診断書などから警察が事件を把握し、捜査する可能性はある。
そのため、「被害届が発表されていないから事件ではない」「被害届を出さなければ捜査できない」とも言い切れない。
警察ではなく政界関係者へ相談したのはなぜ?
さとう氏は辞職表明後、国会議員、東京都議、議員以外の政治関係者から連絡を受け、解決への道筋が見えたと説明した。
この「道筋」が警察や弁護士への橋渡しを意味するのか、身辺警護や住居の確保なのか、相手との仲介なのかは明らかになっていない。
政治家への相談だけで暴行事件を解決したように見える点には疑問も残る。
暴力や脅迫が継続しているなら、政治的な仲介だけでなく、警察など公的機関による安全確保が必要になるためだ。
一方、さとう氏は1人会派で活動しており、相談できる仲間が少なかったとも話している。
辞職動画をきっかけに、法的対応や安全対策に詳しい人物とつながった可能性もある。
東京都や小池百合子知事は関係している?
辞職表明前、さとう氏は政務活動費を使った都政報告会と、YouTube広告収益の扱いをめぐって都議会側と対立していた。
東京都の消費税未申告問題も追及していたため、SNSでは「都から圧力を受けた」「小池百合子知事に消された」との説が広がった。
しかし、撤回動画でさとう氏は、東京都や小池知事が暴行や金銭要求に関与したとは話していない。
都や知事の関与を示す証拠も確認されていない。
本人が語った「大切な人と完全に離れた」という説明からは、個人的な人間関係が深く関係していた可能性も考えられるが、これも断定はできない。
さとうさおり氏のプロフィール


さとうさおり
- 本名: 佐藤沙織里
- 生年月日: 1989年7月28日
- 年齢: 37歳
- 出身地: 茨城県
- 職業: 東京都議会議員、公認会計士、税理士、YouTuber
- 選挙区: 千代田区選挙区
- 会派: 無所属(やちよの会)
- 所属委員会: 経済・港湾委員会
- 主な政策: 減税、社会保険料削減、行政会計の透明化
- 愛称: 減税メガネ
さとう氏は2025年6月の東京都議選で7232票を獲得し、都民ファーストの会の現職候補を246票差で破って初当選した。
YouTubeでは税金や東京都政について発信し、チャンネル登録者数は約58万人となっている。
今後はどうなる?考えられる4つの展開
①警察への相談や被害届提出が明らかになる
すでに相談している場合、今後の動画や取材でその事実だけを公表する可能性がある。
刑事事件として捜査が始まれば、被害者や関係者への聴取、診断書、メッセージ、録音、送金記録などの確認が行われるとみられる。
②詳細を公表せず人間関係の整理で終える
被害者の意向や安全を優先し、相手の名前や詳しい経緯を明かさない選択も考えられる。
ただし、議員辞職という重大な判断を公表した以上、有権者から説明不足との批判が続く可能性がある。
③都議会での活動を継続する
辞職届は正式提出前だったため、補欠選挙は行われず、さとう氏はそのまま東京都議として活動を続ける。
政務活動費とYouTube収益をめぐる問題、東京都の会計処理への追及、検討していた行政訴訟の扱いも今後の焦点となる。
④「やちよの会」の体制を拡大する
さとう氏は、1人で活動することに限界を感じたとして、2027年春の千代田区議選に向けた候補者募集を発表した。
辞職表明時に無期限休止するとしていた「やちよの会」を正式に再開するのか、候補者の審査や資金管理をどのように行うのかも注目される。
時系列
2026年8月29日
YouTubeで議員辞職を表明。「命を優先する」と説明するが、詳しい理由は明かさず。
8月29日から9月4日
国会議員や都議など複数の政治関係者から連絡を受け、今後の対応を協議する。
9月4日
議員辞職の撤回を発表。身近な人物への暴行と金銭要求が辞職を決めた理由だったと初めて説明する。
政治活動を続けるため、大切な人物との関係を完全に断ったことも明かす。
9月5日時点
警察への相談、被害届、告訴の有無は公表されていない。暴行や金銭要求の相手、政治活動との関係も不明となる。
まとめ
さとうさおり氏が警察に被害届を出していないとの情報は確認されていない。
現時点で分かっているのは、警察への相談や被害届の有無を公表していないということになる。
暴行を受けたのが本人ではないこと、被害者のプライバシーや安全、捜査への影響などから説明を控えている可能性がある。
金銭要求についても、脅迫を伴う犯罪なのか、個人的な支払いをめぐる問題なのか判断できない。
一方、「命を優先する」として議員辞職まで表明した以上、警察への対応を含め、安全がどのように確保されたのか説明を求める声が続くとみられる。
さとう氏は辞職届を正式提出しておらず、今後も東京都議として活動を継続する。
警察対応の有無、やちよの会の再開、都議会との対立、暴行・金銭要求について追加説明を行うかが今後の焦点となる。

