2026年8月24日、東京都は自殺対策事業を行っていたNPO法人「再チャレンジ東京」が、虚偽の活動実績や偽造した領収書を使って補助金を申請していたと発表した。
交付決定の取消額は約4894万円。
このうち実際に交付された約3779万円について返還を請求したものの、法人はすでに破産しており、回収は難しいとみられている。
再チャレンジ東京の理事長を務めていたのが平林朋紀である。
平林朋紀平は公明新聞の記者や理論誌「公明」の編集長を務めた経歴を持ち、退職後は中小企業経営者や子供の自殺防止活動に取り組んできた。
この記事では、平林朋紀のプロフィールや経歴、補助金不正受給の手口、法人解散後の活動について整理する。
平林朋紀について


平林朋紀は、元新聞記者・編集者で、NPO法人「再チャレンジ東京」の理事長を務めていた人物である。
公明新聞の記者を経て、理論誌「公明」の編集長を歴任。公明新聞1面のコラム「北斗七星」を約15年間執筆したとされる。
定年退職後の2007年、中小企業経営者の自殺を防ぐことを目的に再チャレンジ東京を設立した。
当初は過重債務などに苦しむ中小企業経営者への相談や事業再生支援を中心としていたが、後に子供のいじめや自殺防止活動へ重点を移した。
学校での道徳特別授業、作文・標語・ポスターコンクール、個別相談などを実施し、自治体や学校、地方議員などとも関わりながら活動を広げてきた。
プロフィール
平林朋紀(ひらばやし ともき)
- 生年月日:1940年生まれ
- 年齢:85~86歳
- 出身地:長野県佐久市
- 職業:元新聞記者、編集者、団体代表
- 主な経歴:公明新聞記者、理論誌「公明」編集長
- 元役職:NPO法人再チャレンジ東京理事長
- 現在の肩書:いじめ・自殺防止国民運動本部会長
- 所属団体:日本ペンクラブ、長野県人会関係団体など
詳しい生年月日、学歴、家族構成などは公表されていない。
NPO法人「再チャレンジ東京」とは?

再チャレンジ東京は2007年10月に東京都から認証を受けたNPO法人である。
特定非営利活動法人再チャレンジ東京
- 法人番号:5011105003642
- 代表者:平林朋紀
- 所在地:東京都新宿区新宿6丁目28番8号
- 認証日:2007年10月4日
- 活動内容:事業再生支援、自殺防止、いじめ防止、相談事業、道徳特別授業、コンクール開催
- 解散日:2025年10月29日
- 解散理由:破産手続き開始の決定
設立当初は、経営難に陥った中小企業経営者の相談や再建支援を目的としていた。
その後、活動の中心を子供のいじめ・自殺防止へ移し、全国の学校を対象にした作文やポスターのコンクール、道徳特別授業、相談窓口などを展開した。
東京都が補助金不正受給を発表
東京都保健医療局は2026年8月24日、再チャレンジ東京に対する補助金の交付決定を取り消したと発表した。
対象となったのは、2018年度から2024年度に申請された次の事業である。
- 地域自殺対策強化補助事業
- 新型コロナウイルス感染症自殺防止対策事業
東京都が発表した金額は次の通りである。
- 当初交付決定額:4893万9000円
- 既交付額:3779万3000円
- 交付決定取消額:4893万9000円
- 返還請求額:3779万3000円
約4894万円全額がすでに支払われたわけではない。
実際に法人へ交付され、東京都が返還を求めている金額は約3779万円となる。
補助金不正受給の手口
東京都の調査や報道によると、再チャレンジ東京は虚偽の活動実績や経費を申告していた。
主な手口は次の通りである。
- 実際には支払っていない講師や審査員への謝礼を経費に計上
- 講師や関係業者名義の領収書を偽造
- 授業や相談事業の実施回数を水増し
- 実施していない個別相談を行ったことにして申請
- 人件費や謝礼金の金額を実際より多く申告
報道では、領収書の偽造は5社・33人分に及んだとされる。
東京都は提出された書類に基づいて補助金を交付していたが、現地確認や関係者への聞き取りによって申請内容との食い違いが明らかになった。
「62日間実施」と報告した相談事業がゼロ回
不正発覚のきっかけとなったのが、2025年1月に東京都が行った現地確認だった。
法人側は、個別相談事業を62日間実施したと報告していた。
しかし、東京都が外部相談員へ聞き取りを行ったところ、実際には一度も相談業務に従事していなかったことが判明したとされる。
さらに調査を進めると、学校での授業や講師への謝礼についても、申請内容と実態が一致しない事例が確認された。
長期間にわたり書類を中心とした審査が続き、虚偽の内容を見抜けなかった東京都側の監督体制も問われている。
平林朋紀は不正について何と説明した?
報道によると、平林朋紀は東京都の調査に対し、事業で赤字が発生しないように領収書の偽造や謝礼金の水増しを行った趣旨の説明をしたという。
団体の持ち出し分を補うことが目的で、個人的に利益を得るためではなかったとも説明したとされる。
しかし、実際に交付された約3779万円が具体的に何へ使われたのかは明らかになっていない。
事業の赤字を補う目的だったとしても、虚偽の実績や偽造領収書を使って公金を受け取ることは認められない。
交付取消から破産までの時系列
2007年10月
平林朋紀が中心となり、NPO法人再チャレンジ東京を設立する。
2018年度~2024年度
地域自殺対策強化補助事業などの補助金を東京都へ申請する。
2025年1月
東京都が現地確認を実施。
個別相談の日数や活動実績に食い違いが見つかり、本格的な調査が始まる。
2025年6月6日
東京都が2024年度申請分の交付決定を取り消す。
2025年8月28日
東京都が2018年度から2023年度分の交付決定を取り消し、既交付分約3779万円の返還を請求する。
2025年10月29日
再チャレンジ東京が破産手続き開始の決定により解散する。
2026年1月
報道によると、法人の破産手続きが終了する。
目立った資産がなく、補助金の回収は困難とされる。
2026年8月24日
東京都が一連の交付決定取消と返還請求を公表する。
新宿警察署へ情報提供していることも明らかにする。
約3779万円を回収できない理由
東京都は既交付分の約3779万円について返還を求めたが、再チャレンジ東京はすでに破産している。
法人に目立った財産が残っていない場合、東京都も他の債権者と同様に、破産手続きの中で配当を受けることになる。
分配できる資産がなければ、返還請求を行っても実際に公金を回収することは難しい。
補助金の返還義務は法人に対して生じるため、理事長だった平林氏個人へ自動的に全額を請求できるわけではない。
今後、個人に対する民事責任や刑事責任が問われるかは、警察の捜査や新たな事実の判明によって変わる。
平林朋紀は逮捕された?
2026年8月25日時点で、平林朋紀が今回の問題で逮捕、起訴されたとの発表は確認されていない。
東京都は不正事案について新宿警察署へ情報提供し、連携を続けているとしている。
現在確認されているのは、東京都による行政上の交付決定取消と返還請求である。
補助金詐欺や横領などの刑事事件として立件されるかは、今後の警察の判断となる。
解散後も別団体で活動を継続か
再チャレンジ東京は破産により解散したが、平林朋紀は「いじめ・自殺防止国民運動本部」の会長として活動している。
同団体の公式サイトには「旧称:NPO法人再チャレンジ東京」と記載され、道徳特別授業、作文・ポスターコンクール、学校へのポスター配布などが紹介されている。
2026年6月には茨城県教育委員会へいじめ・自殺防止ポスターを寄贈するなど、再チャレンジ東京と似た活動が続いている。
ただし、いじめ・自殺防止国民運動本部と解散したNPO法人の法的関係、資産や負債を引き継いでいるかについては明らかになっていない。
単純な名称変更なのか、法人格を持たない別団体として活動しているのかも、公開情報だけでは判断できない。
なぜ長期間見抜けなかった?
今回の不正は2018年度から複数年にわたって続いたとされる。
東京都は提出された実績報告書や領収書を確認していたものの、関係者への聞き取りや現場確認が行われるまで虚偽を見抜けなかった。
今後は次のような点が焦点となる。
- 複数年度にわたり補助金が交付された審査体制
- 授業や相談事業の実施確認方法
- 領収書の発行元への照会
- 補助金交付後の抜き打ち調査
- NPO法人が破産した場合の公金回収方法
- 同じ代表者が別団体で活動する場合の確認体制
- 警視庁による捜査や刑事責任の有無
まとめ

平林朋紀は長野県出身の元新聞記者・編集者で、公明新聞記者や理論誌「公明」の編集長を務めた経歴を持つ。
定年後の2007年にNPO法人再チャレンジ東京を設立し、中小企業経営者や子供の自殺防止、いじめ防止活動に取り組んできた。
しかし東京都は2026年8月、再チャレンジ東京が虚偽の活動実績や偽造領収書を使って補助金を申請していたとして、約4894万円の交付決定を取り消した。
実際に交付された約3779万円について返還を求めたものの、法人は破産しており、回収は難しい状況となっている。
平林氏が会長を務める別団体では、現在もいじめ・自殺防止活動が続けられている。
今後は警察による捜査の進展だけでなく、東京都の審査体制や、公金を受け取った法人が破産した場合の回収制度も問われることになる。

