2026年8月6日、大阪地方裁判所は、自宅で飼っていた犬2匹を相次いで殺害したとして、動物愛護管理法違反の罪に問われた40代男性に、拘禁刑1年、保護観察付き執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。
殺害された「イブ」と「マックス」は、いずれも保護団体から譲渡された犬だった。
男性は1匹目のイブを殺害したわずか5日後、新たに迎え入れたマックスにも暴行を加えて殺害したとされる。
さらに、それ以前には飼っていたウサギを殺していたことも法廷で明らかになった。
一部のSNSや動物愛護関係者の投稿では、被告人は「鈴木成博こと金成博」、妻は「鈴木幸江」とされている。
この記事では、事件の経緯、夫婦の人物像、裁判での証言、判決内容、動物愛護法改正をめぐる課題を整理する。
鈴木成博こと金成博について


プロフィール
鈴木成博
- 韓国名:金成博
- 生年月日: 非公表
- 年齢: 40代
- 出身地: 非公表
- 国籍: 韓国籍
- 在留資格: 特別永住者
- 住所: 大阪市生野区中川
- 職業: 無職
- 過去の職業: 塗装業など
- 生活状況: 生活保護受給
- 家族構成: 妻、子どもらと同居
- 起訴された罪: 動物愛護管理法違反
- 判決: 拘禁刑1年、保護観察付き執行猶予3年
男性は以前、塗装業などに従事していたが、体調を崩してから無職になったとされる。
法廷では、精神疾患や生活習慣病があり、処方された薬を適切に服用できていなかったことも明らかになった。
処方薬を過剰に飲んだり、酒と一緒に服用したりすることもあったとされ、弁護人から正しい服用方法ではないと指摘されている。
酒を飲むと気性が荒くなる人物だった
男性は酒を飲むと気性が荒くなりやすく、過去には夫婦間のトラブルも起こしていたという。
捜査段階では、男性自身が「酒を飲むとブレーキが利かずにキレてしまう」という趣旨の供述をしていた。
犬2匹を殺害した際も酒に酔っていた。
法廷では細身で、質問に対して消え入りそうなほど小さな声で答えていたとされる。
一見した印象だけでは、激しい暴力を振るう人物には見えなかったという。
しかし、家庭内では飲酒によって感情を制御できなくなり、動物に対する暴力を繰り返していた。
妻・鈴木幸江について
鈴木幸江は弁護側の証人として法廷に出廷し、夫の飲酒問題や、動物を引き取った経緯について証言した。
プロフィール
鈴木幸江
- 生年月日: 非公表
- 年齢: 非公表
- 出身地: 非公表
- 住所: 大阪市生野区中川
- 職業: 非公表
- 被告人との関係: 妻
- 家族構成: 夫、子どもらと同居
- 役割: 保護団体へ里親希望を申し込んでいたとの情報あり
- 刑事責任: 犯罪への関与を認定された事実は確認されていない
鈴木幸江は保護団体へ里親希望を申し込み、犬などの動物を家庭へ迎え入れる側だった。
ただし、主要報道では妻の実名や年齢、職業などは公表されていない。
また、妻が動物虐待や殺害に直接関与したとして、逮捕、起訴、有罪判決を受けた事実も確認されていない。
「ウサギを殺した後でも不安はなかった」
鈴木成博は犬2匹を殺害する以前に、飼っていたウサギを殺していた。
検察官は妻に対し、ウサギを殺した後に新たな犬を引き取ることに不安はなかったのかと質問した。
妻は「なかった」と答えた。
さらに、1匹目の犬であるイブが殺された直後、2匹目のマックスを引き取ったことについて問われると、「約束していた」と説明した。
ただし、「約束」が保護団体との譲渡約束を指すのか、夫が犬に危害を加えないと約束したことを指すのかは、法廷でのやり取りだけでは明らかにならなかった。
再発防止策について妻は「注意はしていた」と述べたが、具体的な対策として語られたのは、夫に酒を飲ませないことだった。
「妻が引き取り、夫が殺す」と批判
SNSや動物愛護関係者の間では、今回の家庭について「妻が保護団体から動物を引き取り、夫が殺す」という構図だったのではないかとの批判が広がった。
ウサギが殺された後にイブを迎え、イブが殺された後にマックスを迎えていたためだ。
妻が夫の飲酒問題や過去の暴力を把握していたにもかかわらず、新たな動物を家庭に入れ続けたとすれば、動物の安全を守る判断が十分だったのかという疑問が残る。
妻が虐待動画を撮影していた?
SNSでは、妻が動物への暴行や虐待の様子を動画で撮影していたとの指摘も出ている。
しかし、今回の刑事裁判に関する主要報道では、妻が虐待動画を撮影していたとの事実は確認されていない。
1匹目の保護犬「イブ」を殺害


事件が起きたのは2026年5月だった。
鈴木成博は大阪府内の自宅で、保護団体から引き取った犬「イブ」を殴るなどして殺害した。
犯行当時、鈴木成博は酒に酔っていた。
犬の排泄物で部屋が汚れたことに腹を立て、犬を叩きながら掃除をしていたところ、犬に噛まれたことで激高したという。
暴行はエスカレートし、イブは死亡した。
犯行後、室内は血だらけになっていたとされる。
5日後に保護犬「マックス」も殺害


イブを殺害してからわずか5日後、男性は新たに家庭へ迎えられた保護犬「マックス」にも暴行を加えて殺害した。
1匹目の犬が殺された直後であり、再び動物を迎えるには極めて危険な状況だった。
それにもかかわらず、保護団体との約束などを理由にマックスが家庭へ迎えられ、再び命を奪われる結果となった。
裁判所は、わずか5日という短期間に2度の犯行を繰り返した点を重く見た。
保護されたヨークシャー・テリアについて
鈴木成博から助け出されたヨークシャー・テリアは、骨盤骨折や火傷などの傷を負っていたとされる。
現在は、治療後に新しい家族へ譲渡されている
法廷で「ペットの命を軽く見ていた」と認める
鈴木成博は起訴内容について「間違いありません」と認めた。
被告人質問で犬を殺した後の心境を尋ねられると、鈴木成博は「うわぁ、やってもうた」と述べた。
さらに、自ら「ペットの命を軽く見ていた」と振り返った。
鈴木成博はマックスについて「かわいいと思っていた」とも話したが、法廷での受け答えから、命を奪ったことへの強い反省や後悔が十分に伝わらなかったとの指摘もある。
検察側は「残忍かつ悪質」と指摘
検察側は、男性が愛護動物の命を軽んじていたことは明らかであり、犯行は残忍で悪質だと主張した。
室内で動物を飼えば、排泄物で部屋が汚れることは十分に予想できる。
そのことに腹を立て、暴行を加えて命を奪った行為は身勝手だと非難した。
さらに、1匹目の犬を殺害した後、わずか5日で同様の犯行を繰り返した点も重視し、拘禁刑1年を求刑した。
弁護側は突発的な犯行と主張
弁護側は、男性が計画的に動物虐待を続けていたのではなく、いずれも飲酒や怒りによる突発的な犯行だったと主張した。
起訴内容を認めていることや、今後は完全に酒を断つ意向を示していることから、執行猶予付きの判決を求めた。
男性は、処方薬を適切に服用すること、アルコール依存の治療を受けること、悩みを家族に相談することなどを誓った。
拘禁刑1年・保護観察付き執行猶予3年
大阪地裁は2026年8月6日、鈴木成博に拘禁刑1年、保護観察付き執行猶予3年の判決を言い渡した。
- 主刑: 拘禁刑1年
- 執行猶予: 3年
- 保護観察: あり
- 検察側の求刑: 拘禁刑1年
執行猶予付きのため、鈴木成博が直ちに刑務所へ収容されるわけではない。
裁判所は、わずか5日間で犬2匹を相次いで殺害したことから、本人と家族だけによる再発防止では不十分であり、更生には公的な支援が必要だと判断した。
裁判官が「動物を飼うのは望ましくない」と苦言
法廷では、事件後も男性の自宅で複数のペットが飼われていることが明らかになった。
妻は、これ以上増やす予定はないと説明したが、その理由について「多いんで」と答えた。
裁判官は鈴木成博の行為を「虐待」と表現し、飲酒をコントロールするだけでは不十分だと指摘した。
さらに、「そもそも動物を飼うのは望ましくないのではないか」という趣旨の苦言を呈した。
しかし、この発言は法的な飼育禁止命令ではない。
今回の判決によって、男性や家族が動物を飼うこと自体が全面的に禁止されたとの情報はない。
現在も複数の小動物を飼育か
妻の法廷証言によると、現在も自宅では複数のペットを飼っているという。
どのような種類の動物が何匹いるのか、現在の飼育環境が安全なのかは明らかになっていない。
過去にウサギと犬2匹が死亡している家庭で、現在も動物が飼われていることに対し、保護団体関係者や動物愛護活動家から懸念の声が広がっている。
事件の時系列
2026年5月以前
男性が飼っていたウサギを殺害する。
2026年5月
保護団体から迎えた犬「イブ」を、自宅で殴るなどして殺害する。
その5日後
新たに迎え入れた保護犬「マックス」にも暴行を加えて殺害する。
捜査・起訴後
男性が動物愛護管理法違反の罪で起訴され、起訴内容を認める。
2026年7月28日頃
大阪地裁で公判が開かれ、妻の証人尋問や男性への被告人質問が行われる。
2026年8月6日
大阪地裁が拘禁刑1年、保護観察付き執行猶予3年の有罪判決を言い渡す。
2026年8月16日
詳しい法廷でのやり取りが報じられ、事件後も家庭内で複数のペットが飼われていることに懸念が広がる。
まとめ
大阪地裁は、保護犬のイブとマックスをわずか5日間で相次いで殺害した鈴木成博に、拘禁刑1年、保護観察付き執行猶予3年の判決を言い渡した。
鈴木成博は以前にも飼っていたウサギを殺していたが、その後も家庭では新たな保護犬を迎え入れていた。
法廷では、妻がウサギの殺害後に犬を引き取ることに「不安はなかった」と証言し、現在も自宅で複数のペットを飼っていることが明らかになった。
事件の中心となるのは、過去の虐待を把握しながら再び動物を家庭へ迎え入れ、短期間に命が奪われたという事実だ。
裁判官が述べた「そもそも動物を飼うのは望ましくないのではないか」という言葉は、虐待歴のある人物への飼育禁止制度や、保護団体間の情報共有が十分でない現状を象徴している。

