東京での仕事を手放し、海と山のある町で新しい暮らしを始めた齊藤仁さんと晶子さん。
長崎県東彼杵町、JR千綿駅前の空き家を改装して2019年に開業した小さな宿「さいとう宿場」は、町と旅人、過去と未来をつなぐ拠点です。
この記事では、夫妻の移住物語、宿の特色、部屋・朝食・立地、東彼杵町という舞台背景までを丁寧にまとめました。
「さいとう宿場」について


基本情報
さいとう宿場
- 住所:長崎県東彼杵郡東彼杵町駄地郷1662-8
- 電話:0957-47-9723
- メールアドレス:saitosyukuba@gmail.com
- チェックイン:16時〜
- チェックアウト:〜10時
- 駐車場:あり
- 公式サイト:https://www.saito-syukuba.com/
宿の特色・運営スタイル


ゲストハウス風のスモールスケール
さいとう宿場は大規模施設ではありません。部屋数は 3室のみ という小さな宿。
ゲストハウス・ホステル形式を採用し、セルフサービス要素も取り入れています。
チェックイン後はベッドメイキングを宿泊者自身で行う、アメニティ持参などの形式も一部採用。
トイレ・シャワーは共用という運用です。
部屋タイプと風景
公式サイトによれば、和室「山茶」、洋室「月光」、和洋室の「空海」など複数タイプの客室があり、海と鉄道を眺められるロケーションが魅力。
訪問者レビューや宿情報では、海を望む夕景・鉄道が見える駅舎との距離感が宿の大きな魅力とされ、眺めを楽しむ宿泊者が多いようです。
朝食・飲食


宿では、地元の旬の食材を使った和朝食(+800円程度で提供)を用意。
味噌汁や地元野菜、地産食材中心の構成が特色。
また、カフェ・バーラウンジを併設しており、宿泊者以外も交流やくつろぎ利用できます。
移住と宿の誕生 ― 50歳で決断した第二の人生


齊藤仁さんは大阪出身。
東京では店舗・博物館などの企画・施工会社で大きなプロジェクトを任されていました。
晶子さんは外資系IT企業でキャリアを積む。
二人が抱いた共通の願いは、「50歳をきっかけに会社勤めを終えて、自然豊かな場所で暮らしたい」というもの。
2016年、50歳を迎える年に二人そろって早期退職を選びます。
移住地は「暖かくて海が見える場所」を条件に、四国・九州・沖縄を巡る旅を重ね、最終的に長崎県東彼杵町に定住。
齊藤仁さんは地域おこし協力隊に入り、地域課題に関わるうちに「町に宿泊施設がない」ことに気づきました。
そこで空き家だった元「恵比須屋御旅館」を借り受け、宿に改装。
こうして 2019年夏、「さいとう宿場」として再生 しました。
「ここは自然豊かで便利な田舎。この宿を町ぐるみでもてなす場所にしたい」と齊藤夫妻は語ります。
人と人を繋ぎ、笑顔を重ね、町の未来に根を張る宿を目指しています。
東彼杵町の魅力と宿場町の背景(地域紹介コーナー)
東彼杵町(そのぎ)は、海と山に囲まれた風光明媚な町。
「そのぎ茶」の生産地であり、茶畑の段々景観・茶文化が根付く地域です。
古くは宿場町だった歴史もあり、「宿場」「道」「往来」の風情を感じさせる町並みが残っています。
海を望む駅舎(千綿駅)は海沿いに位置し、駅から宿への徒歩ルートで海も視界に入るという演出も魅力のひとつ。
また、町内には陶磁器の里・波佐見、有田、温泉地嬉野が近く、観光ルートの拠点となる立地条件があります。
口コミ・評価・訪問者の声


- 楽天トラベルでは レビュー平均 4.00 点 と比較的高評価。静かな環境や駅からのアクセスを評価する声が目立ちます。
- HafH(ホステル連携サービス)では、「3室の小さな宿」「眺めが素晴らしい」「駅・海・夕日のロケーションが魅力」という紹介がされています。
- Instagram等のSNSでは、宿泊者が「窓の外の海」「青空と鉄道風景」「地元の食材を使った朝食」「居心地の良い交流空間」を写真とともに投稿。ホスト夫妻の温かいおもてなしが伝わるコメントも見られます。
まとめ:「さいとう宿場」が宿す価値とメッセージ


東京から離れ、海と山の町に移住した齊藤仁さんと晶子さんの挑戦は、「町と人をつなぐ宿づくり」です。
宿「さいとう宿場」は規模も小さく、ホテルのような完璧な快適性はありません。
共同トイレ・シャワー、セルフサービス形式、アメニティ持参など制約もあります。
しかしそれだからこそ、旅人と地域がより近く、ありのままに交流できる余白が生まれます。
ゲスト自身が宿泊体験に関わることで、宿と町に溶け込む感覚を与えてくれます。
駅前1分、海・鉄道・夕日は日常。
この宿に泊まれば、景色だけでなく人との出会い、地産食材の朝ごはん、宿主夫妻の声—そうした小さな瞬間が旅の記憶になるでしょう。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。