皆さんこんにちは。
今回は、神奈川県横須賀市にある日産自動車 追浜工場について、歴史的背景から現在の生産体制までをご紹介します。
製造業、特に自動車産業に興味がある方、またものづくりの現場に関心のある方にとって、追浜工場は極めて重要な存在です。
一見すると静かな海沿いの街にあるこの工場が、日本の高度経済成長とともに歩んできた歴史を振り返ると、単なる生産拠点以上の価値を感じられます。
◆ 歴史:1961年の創業、日本の自動車史とともに


追浜工場の操業開始は1961年。戦後の日本が高度経済成長のまっただ中にあった時期です。
当時の日本は、ようやく自家用車の普及が始まり、モータリゼーションの波が押し寄せていました。日産はその先頭を走るメーカーの一つであり、追浜工場は「乗用車生産の中核拠点」として建設されたのです。
創業当初から自動化設備を導入していた点も特筆に値します。プレスから組立、塗装、検査に至るまでの一貫ラインが構築され、近代的な量産体制の先駆けとなりました。
◆ 生産車種:時代とともに変化するラインナップ




追浜工場では、これまでにさまざまな車種が生産されてきました。
以下は代表的なモデルです。
- ブルーバード(1960年代〜90年代)
- サニー、マーチなどの大衆車
- スカイライン(過去一部生産)
- 現在では「ノート」「リーフ」「キックス」などを生産
特に近年は、電気自動車「日産リーフ」の主力生産拠点となっており、日産が掲げる電動化戦略「Nissan Intelligent Mobility」の象徴的な場所とも言えます。
◆ 工場の特徴:最新技術と環境配慮の融合


現在の追浜工場は、スマートファクトリー化が進み、ロボットと人が協働する効率的な生産体制を確立しています。
▷ 環境対応技術
排水リサイクルやエネルギー効率の高い設備の導入、太陽光発電など、環境負荷低減に向けた取り組みも積極的です。
日産の企業理念「サステナブルなモビリティ社会の実現」に沿った運営がされています。
▷ 品質管理・試験体制
工場敷地内には**「グランドライブ」と呼ばれる試験コース**が併設されており、公道に近い条件下で車両の走行テストを実施。
量産前の性能検証や品質保証においても、万全の体制が敷かれています。
◆ 工場見学と地域連携


追浜工場では、一般見学者向けの工場見学ツアーも実施(※要予約、時期により変動あり)。
組立ラインの見学や、電動車両の技術紹介、さらには試乗体験など、教育的価値の高い内容が好評です。
また、横須賀市や地域住民との連携も深く、地域の雇用や交通インフラにも大きく貢献しています。まさに「地域とともにある企業活動」の実践例と言えるでしょう。
◆ 基本情報・アクセス


日産自動車株式会社 追浜工場
- 所在地:〒237-8523 神奈川県横須賀市夏島町1
- 電話番号:046-865-5000(代表)
- アクセス:
- 京浜急行線「追浜駅」からバスまたはタクシーで約10分
- 徒歩の場合、追浜駅から約30分(約2.5km)
- 敷地面積:約1,699,000㎡
- 従業員数:2024年10月31日時点:約3,900名 (2024年10月31日時点)
- 生産能力:約24万台/年(残業・休出除く)
◆ まとめ:追浜工場が持つ“未来の製造業”への示唆


日産 追浜工場は、1961年の創業以来、日本のモビリティ社会を根底から支えてきた歴史ある生産拠点です。
現在では自動車の電動化・スマート化という新たな潮流に対応しながら、持続可能な製造業の姿を追求しています。
その歩みは、単に「車を作る工場」にとどまらず、日本の産業技術力の進化を象徴する存在だったと思います。

2025年5月16日に発表された、2027年度までに日産自動車株式会社 追浜工場が閉鎖されるというニュースは残念でなりません。
日産自動車に思い入れがある方は、今のうちに工場見学を予約するのも良いと思います。
今回も、最後まで読んで頂きありがとうございます。