退職代行サービスとして一躍有名になった「モームリ」。
しかしその運営会社の社長・谷本慎二氏と妻の志織氏が、弁護士法違反の疑いで逮捕されるという衝撃的な展開を迎えた。
表向きは「辞められない人を救うサービス」。
その裏で何が行われていたのか。
なぜ社員が“自社ではなく他社の退職代行で逃げ出す”という異常事態にまで発展したのか。
本記事では、モームリ社長夫妻逮捕の経緯、事件の核心、恐怖政治と呼ばれる社内実態、そして問題視される組織文化について詳しく解説する。
モームリとはどんな会社だったのか

「モームリ」は、退職を自分で切り出せない人の代わりに、退職の意思を勤務先へ伝える退職代行サービスとして注目を集めた。
SNSやテレビ番組への露出も多く、「辞められない人の味方」「ブラック企業からの脱出装置」として一定の支持を得ていた。
運営会社は株式会社アルバトロス。
代表取締役を務めていたのが谷本慎二容疑者で、妻の谷本志織容疑者も経営に深く関与していた。
社長夫妻が逮捕された理由|弁護士法違反とは

2026年2月、谷本慎二・志織夫妻は弁護士法違反(非弁行為のあっせん)の疑いで逮捕された。
問題視されたのは以下の点だ。
- 退職代行の依頼者を弁護士に紹介
- その見返りとして紹介料(報酬)を受け取っていた疑い
- 弁護士資格を持たない者が、報酬目的で法律事務の仲介を行った可能性
日本の弁護士法では、弁護士以外が報酬を目的として法律事務をあっせん・仲介する行為は禁止されている。
表向きは「退職の意思伝達」に留まるサービスであっても、裏で金銭を伴う弁護士紹介が行われていれば、明確な違法行為となる。
社員が“他社の退職代行”で逃げた異常事態
この事件で特に衝撃的なのは、モームリの社員自身が、自社ではなく他社の退職代行を使って辞めていたという点だ。
複数の元社員証言によると、
- 社内の統制が非常に強い
- 指示に逆らえない空気が蔓延
- 法的にグレー、あるいは違法と感じる業務を強要されていた
といった実態があったとされる。
「退職を代行する会社」から、社員が“逃げなければ辞められない会社”へと変質していたことが浮き彫りになった。
“恐怖政治”と呼ばれる組織文化の問題
報道や関係者の証言を総合すると、モームリ社内ではトップダウン型の強い支配構造が敷かれていたと見られる。
- 異論を許さない経営姿勢
- 成果至上主義
- 法律リスクよりスピードを優先する判断
こうした環境の中で、社員は疲弊し、内部からの是正が機能しなくなっていった可能性が高い。
「人を辞めさせる仕事」をビジネスにする以上、自社の労働環境こそ最も厳しく問われる。
その矛盾が、今回の逮捕という形で表面化したと言えるだろう。
谷本慎二・志織夫妻について


- 谷本慎二容疑者
- 1989年2月1日生まれ
- 岡山県高梁市出身
- 株式会社アルバトロス代表
- モームリの顔としてメディア露出多数
- 個人ブログ「脱サラダメ男の奮闘ブログ」
- 谷本志織容疑者(旧姓:川又志織)
- 1994年生まれ
- 東京都出身
- 社内幹部的立場で経営に関与
- 夫婦で事業を支えていたとされる
夫婦経営という強い結びつきが、意思決定の暴走を止められなかった一因とも指摘されている。
まとめ|“人を救うビジネス”ほど倫理が問われる


モームリは、確かに「辞められない人」を救った側面もあった。
しかしその一方で、
- 法律を軽視した収益構造
- 社員が逃げ出すほどの社内環境
- トップによる過度な支配
といった問題を抱え込み、結果として経営者自身が逮捕される事態に至った。
人の人生の転機に関わるビジネスだからこそ、法令遵守と組織倫理が欠けた瞬間、信頼は一気に崩れる。
今回の事件は、退職代行業界全体にとっても、大きな警鐘となるだろう。

