警視庁の巡査部長が、業務で取り扱った遺体を私物スマートフォンで撮影し自宅に保存していたとして懲戒免職となり、書類送検されたことが2026年2月27日に報じられた。
さらに、駅構内での盗撮や児童ポルノ禁止法違反(所持)容疑でも書類送検されていたことが明らかになっている。
本記事では、報道で確認されている事実を整理し、制度的課題を淡々とまとめる。
事件の概要
報道によると、警視庁に所属していた巡査部長は、約13年間にわたり、検視などの業務で対応した遺体を私物スマートフォンで撮影し、自宅に保存していた。撮影対象は主に女性の遺体とされ、職務上の必要性は認められない行為だったとされる。
警視庁は内部調査の結果、重大な規律違反にあたるとして巡査部長を懲戒免職処分とし、関係法令違反の疑いで書類送検した。
押収画像の点数と期間
報道では、押収された画像は約500点に上るとされている。撮影行為は約13年間に及び、複数の警察署勤務期間を通じて継続していたという。
画像は私物端末に保存されており、公式な証拠管理手続きを経ていなかった点が問題とされている。
盗撮行為と児童ポルノ所持容疑
さらに報道によると、巡査部長は2022年12月以降、県内および東京都内の駅で計5回にわたり、女性のスカート内を盗撮していたとされる。
加えて、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(所持)容疑でも書類送検されたと報じられている。
これらは業務とは直接関係のない私的な犯罪行為であり、遺体撮影事案とは別の刑事責任が問われる可能性がある。
懲戒免職および書類送検の位置づけ
懲戒免職は公務員に対する最も重い懲戒処分であり、身分を失うとともに退職金が支給されない、または減額される可能性がある。
一方、書類送検は刑事手続き上の措置であり、検察が起訴・不起訴を判断する段階である。
行政処分と刑事責任は別制度であり、懲戒免職と刑事処分はそれぞれ独立して進む。
巡査部長のプロフィール(報道範囲)
報道によると、当該人物は警視庁所属の巡査部長で、複数の署で勤務歴があったとされる。氏名や年齢などの詳細は、報道で公表されている範囲に限られている。
現時点で確認できるのは、巡査部長という階級にあり、長年警察組織内で勤務していたという事実である。
職務権限の範囲と問題点
警察官は、検視や実況見分などで遺体や証拠物を取り扱う権限を持つ。しかし、その権限はあくまで公務目的に限定される。
今回の事案では、職務上接することができた遺体を私的に撮影し保存していた点が問題とされている。
これは職務権限の逸脱であり、権限乱用にあたる可能性がある。
さらに、私生活における盗撮や児童ポルノ所持容疑も明らかになり、公務員としての倫理規範が問われる事態となっている。
公務員の守秘義務と証拠管理責任
公務員には守秘義務が課されており、職務上知り得た情報を適切に管理する責任がある。
遺体の状況や現場情報も職務上の秘密に該当する。
また、証拠物や捜査資料の管理は厳格な内部規定に基づくべきものであり、私的保存は許されない。
今回の事案は、こうした基本原則に反する行為と整理されている。
遺族および社会への影響
遺体は尊厳をもって扱われるべき対象である。
報道では、遺族の感情を大きく傷つける行為であることが指摘されている。
加えて、警察という公的機関に対する信頼に影響を与える事案であり、組織全体の管理体制や倫理教育の在り方が問われている。
警察内部の管理体制と再発防止
警視庁は再発防止策として、職員への倫理教育の徹底やデジタルデータ管理の強化を進める方針とされる。
私物端末の利用制限や持ち出し管理の徹底など、具体的な対策の内容は今後公表される可能性がある。
現時点で分かっていない点と今後の焦点
撮影行為の詳細な動機や、画像の外部流出の有無については現時点で明らかになっていない。
盗撮事案および児童ポルノ所持容疑についても、検察の判断を含めた今後の刑事手続きが焦点となる。
本件は、個人の不適切行為にとどまらず、公的権限の管理、倫理規範、組織統制の在り方を問い直す事案である。
報道で確認できる事実を基に冷静に整理し、制度的課題を見極める姿勢が求められている。

