北海道蘭越町の名湯「ニセコ五色温泉旅館」(運営:佐藤観光株式会社)が、突如として源泉の一部が使用不能に・・・
200メートル離れた源泉地で、何者かが石で湯をせき止め、勝手に露天風呂を設置した疑いが浮上。
旅館の浴槽が一時使えなくなるなど営業に悪影響が出ており、自然公園法違反の可能性も。今回は、現場の詳細、旅館の歴史、事件の背景をまとめてご紹介します。
事件の全貌:源泉地に“野湯”設置、旅館浴槽が無念の休止


- 発覚のきっかけ:7月1日、従業員が源泉湧出場所で石積みを発見。これにより源泉の流れが分断され、旅館の浴槽に湯が届かない被害が発生。
- 現場状況:石で堰を作り、お風呂サイズの湯溜めが形成され、植木鉢やバスマットが露天風呂として使用された跡も。また、水道ホースを設置し、湯温を調整して使用していた様子もあった 。
- 繰り返しの行為:従業員が戻すたびに、4~5日後にはまた元通りの状態に戻されるいたちごっこ状態。
- 旅館への影響:湯量減少を受け、浴槽の1つを休止に。営業への影響が深刻で、被害届提出を検討中。
法的にも問題:自然公園法、営業妨害の可能性も


源泉湧出地は国定公園内に位置するため、地形変更は自然公園法違反に該当する恐れがあります。
「佐藤観光株式会社」は「源泉は100年近く大切に管理してきた。これは営業妨害行為だ」と述べており、警察への被害届提出も検討中です。
ニセコ五色温泉旅館について


基本情報
ニセコ五色温泉旅館
- 住所:北海道磯谷郡蘭越町湯里673番地
- 電話:0136-58-2707
- 開業:1930年(昭和5年)
- 運営:佐藤観光株式会社(取締役・佐藤直樹)
- 風呂:露天・内湯の2種類からなる源泉掛け流し温泉
- 公式サイト:https://goshikionsen.com/
*日帰り入浴にも対応しています。
- 夏季(5月〜10月)9時〜20時
- 冬季(11月〜4月)10時〜20時
歴史と特徴


「ニセコ五色温泉旅館」は、1930年(昭和5年)に開業した歴史ある一軒宿。
北海道ニセコ連峰の山あい、標高約750メートルの場所に位置し、自然湧出する酸性硫黄泉を源泉かけ流しで楽しめます。
1958年(昭和33年)には、厚生省告示でニセコ温泉郷の一部として国民保養温泉地に指定され、全国にその名が知られるようになりました。
泉質は酸性・含硫黄の硫酸塩・塩化物泉で、季節や条件で色が変わる「五色」の名の通り神秘的な湯が特徴。
大浴場や露天風呂は自然を背景に設計され、冬の雪景色や夏の深緑など四季折々の風情を堪能できます。
素朴な山小屋風の佇まいを守り続け、「日本秘湯を守る会」加盟の老舗旅館として、登山客や湯治客、温泉ファンに長く愛されてきました。
野湯設置の“裏側”は?愛好者か迷惑行為か
ニセコエリアでは、一部の温泉愛好家やYouTuberが「野湯」を設置して撮影する事例があり、「佐藤観光」も過去に注意をしたものの、その後逃げられたこともあるとのこと。
今回の犯人も同様の線が濃厚と見られています。
まとめ
「ニセコ五色温泉旅館」は、北海道の自然豊かな国定公園内に湧く源泉を大切に管理し、長年にわたり多くの湯治客を迎えてきた名湯です。
そんな旅館が、何者かによって源泉を勝手に石でせき止められ、露天風呂が設置されるという前代未聞の被害に直面しています。
結果的に旅館の浴槽の一部が使用できなくなるなど、営業にも深刻な影響が及びました。
源泉地は自然公園法で保護される特別な場所であり、無断での改変は明確な法律違反の可能性があります。
「佐藤観光」は、長年守り続けてきた源泉をこれからも大切にし、訪れるお客様に最高の温泉体験を提供するため、被害届の提出や防犯対策を検討しています。
自然の恵みを分かち合う温泉地だからこそ、その資源を勝手に利用する行為は許されません。
ニセコの温泉文化と美しい自然を未来に残すために、地域ぐるみでの意識向上と監視の強化が求められています。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。