「福岡県内で10人以上が、カンボジアで行方不明になっているらしい」・・・
SNSで広がったこの噂は、いま複数の報道によって“相談が相次いでいる事案”として裏付けられ始めている。
過去2年ほどの間に、福岡県内の20代〜30代の若者がカンボジア入国後に連絡が取れなくなるケースが相次ぎ、警察は詐欺などの犯罪に巻き込まれた可能性もあるとみて捜査している。
事件概要
報道によると、福岡県内ではおととし以降「家族がカンボジアに行った後、連絡が取れなくなった」といった相談が複数寄せられ、行方不明になっているのは20代から30代の無職や学生の男性で「約10人」とされる。
警察は、カンボジアに存在が指摘されているニセ電話詐欺(いわゆる特殊詐欺の電話勧誘)などの犯罪拠点に巻き込まれた可能性もあるとして、経緯を調べている。
時系列整理(報道と拡散の流れ)
まずSNS上で「福岡で10人以上がカンボジアで行方不明」という情報が広がり、真偽をめぐる投稿が増えた。
その後、地元局の報道で「福岡県内の約10人がカンボジア入国後に行方不明」という相談が複数あることが伝えられ、警察が犯罪に巻き込まれた可能性を視野に捜査している状況が明らかになった。
さらに朝日新聞でも、福岡県在住の20代男子大学生が昨年12月以降、渡航先のカンボジアで行方不明となっているケースが報じられ、詐欺などの犯罪グループに巻き込まれている可能性があると県警がみていることが伝えられている。
行方不明者はなぜカンボジアへ渡ったのか
報道で語られているのは、「好条件の誘い」を入口にした渡航だ。
RKBの報道では、行方不明者の中に「電話勧誘のアルバイトで月30万円稼げる」などと誘われた人がいたとされる。
また別のケースでは、渡航前に「2泊3日で旅行に行く」と家族に告げて出国し、同行者がSNSで知り合った人物から「会社の経費で旅行代を負担する」と持ちかけられていたと報じられている。
“旅行”や“短期バイト”に見える誘いが、結果的に連絡断絶へつながっている点が共通している。
現在わかっている状況
警察は、行方不明者がニセ電話詐欺などの犯罪に巻き込まれた可能性があるとみて捜査を進めている。
カンボジアには詐欺拠点があることが判明しているとの報道もあり、連絡が途絶えた人たちが、いわゆる「かけ子」などを強いられている可能性が指摘されている。
ただし、個々のケースで「どこにいるのか」「誰が関与しているのか」「強制性があったのか」などは、現時点で公的に確定情報が十分に示されているわけではなく、今後の捜査・報道で具体像が更新されていく段階だ。
背景にあると指摘される構造
この問題が深刻視されるのは、海外の詐欺拠点が“労働力”を国境を越えて集める構造が疑われているからだ。
現地に詳しい関係者の証言として、駐在員コミュニティの中でも「何の仕事をしているのかわからない人物が混じる」といった不穏な語られ方があり、治安・腐敗・癒着といった要素が絡む「巨大な産業」として黙認されているのでは、という見方も出ている。
一方で、こうした“現地の空気”や“噂”は断定材料にはならないため、事実として確認できる範囲(相談の発生、複数人が連絡断、詐欺関与の可能性の捜査)と、推測・見立てを切り分けて受け取る必要がある。
SNS反応
SNSでは「都市伝説ではなく現実だったのか」という驚きと恐怖、救出・保護を求める声が目立つ一方、「自己責任」「騙される方が悪い」といった切り捨て型の反応も混在している。
ただ、報道側では「甘い誘い」が入口になっている点や、犯罪に巻き込まれた可能性がある点が示されており、単純な自己責任論だけで片付けるのは早計だという空気も広がっている。
今後の焦点
焦点は大きく三つある。
一つ目は、行方不明者が実際にどの拠点・勢力に接触し、どの時点で自由を奪われた可能性があるのかという経路の解明。
二つ目は、SNSを介した勧誘や「高額報酬・無料渡航」といった典型的な誘いの実態把握。
三つ目は、被害者保護と国際捜査の連携で、国内の相談増加に対してどこまで実効性ある対応が取れるかが問われる。
まとめ
「福岡で10人以上がカンボジアで行方不明」という話は、SNSの噂として消費される段階を超え、実際に県内で複数の相談があり、警察が犯罪に巻き込まれた可能性を視野に捜査している“現実の問題”として報じられている。
ただ同時に、SNSでは情報が断片のまま増幅し、真偽や背景が不明な主張まで一緒に拡散されやすい。
人命に関わるテーマほど、怒りや恐怖で結論を急がず、報道や公的発表など確認可能な情報を軸に、冷静に状況を見極める姿勢が欠かせない。

