和歌山県有田川町で、廃棄される物流用パレットをアップサイクルし、一点ものの家具やキャンプ用品へと生まれ変わらせる工房「SIL(Smile Is Life)」。
宮尾隆弘さんと陽子さん夫妻が営むこのブランドは、廃材に新しい命を吹き込むことで、人々の笑顔をつなぐ「笑顔=人生」の哲学を実践しています。
そんな「SIL(Smile Is Life)」は、2025年7月26日にテレビ朝日系列で放送された人生の楽園で紹介されました。
今回は、夫妻の歩みと「SIL(Smile Is Life)」のこだわり、そして地域・SDGsとリンクする存在意義を詳しくご紹介します。
目次
「SIL(Smile Is Life)」について


基本情報
SIL(Smile Is Life)
- 住所:和歌山県有田郡有田川町水尻567
- 電話:090-5361-3836
- 定休日:不定休
- 営業時間:10時〜12時 15時〜18時
- 駐車場:あり
- 公式Instagram:https://www.instagram.com/sil_mtaka34
「SIL」が創り出す“廃材の価値”


- 年間約4,500万枚の廃パレットを原料に
木製パレットは通常、焼却・チップ化されてしまいますが、SILでは解体・研磨・圧着・圧縮などを通じて、その質感と個性を活かした家具へと蘇らせています。 - 一点もの家具や什器・キャンプ道具へ
製品例としてベンチ、ダイニングテーブル、棚のほか、「SIL CAMP」と称したキャンプ用品や店舗什器、展示ブースまで幅広く手がけています。 - 手作業の徹底と素材への愛情
釘抜き、サイズ選定、木目や傷の取り込み、圧着や研磨など、とにかく手間ひまをかけることで“味わい深い表情”の作品が生まれています。 - 多様性と調和のメッセージ
色や木目が揃わない方が個性豊かで、異なる人々が集まって一つになるように—これこそ、宮尾さんが家具を通じて生み出したいメッセージです。


宮尾隆弘さん夫妻の原点とUターン


- 過労で体を壊した福祉職からの転身
大阪で18年間働いた宮尾さんは36歳で「異型狭心症」を発症し、医師から「発作は命の危険にもつながる」と言われた経験をきっかけに、仕事と生き方を大きく見直しました。 - 廃パレットとの運命的出会い
有田川町で見かけた廃棄パレットを見て、自身の“使えなくなった身体”と重ね合わせ、「これは捨てずに活かすべきだ」と直感。これがアップサイクル人生の始まりでした。 - 木工機械との出会いと独学
廃業する建具店から木工機械を譲り受け、地元大工や家具職人に師事しながら独学で家具づくりを学び、2018年に空き倉庫を借りて「SIL」を起業。
地域と社会をつなぐ役割


- 行政・地域からの評価と協働
開業1年後には和歌山県の「1社1元気技術」にも選定されるなど、地域の産業振興としても評価を受けています。 - 瀬戸内国際芸術祭・地域イベントへの出展
直島での展示、地元祭りや環境フェスへの什器提供など、SILの活動が環境意識やアートの潮流にも繋がっています。 - コミュニティ形成の拠点に
有田川町の公民館や飲食店とも連携し、地元の仲間たちとのつながりを深める活動を続けています。
「SIL」の理念


- ブランド名に哲学あり
「SIL」はその名の通り「Smile Is Life」。
笑顔こそが人生の本質—その言葉どおり、創ること、出会うこと、使ってもらうことで笑顔を広げることを目的としています。 - 「素材と人を大切に」する信念
どんなものも大切にされるべきという思いから、ひび・汚れ・古傷を隠さず活かす姿勢は「モノを大切にする心=人を思いやる心」の体現です。


まとめ


「SIL(Smile Is Life)」は、廃棄される物流用パレットという“捨てられる木”に、手間と愛情をかけて命を吹き込み、一つの作品へと変えるアップサイクルブランドです。
宮尾隆弘さん夫妻が大切にする「笑顔」「個性」「つながり」。
そのメッセージは製品だけでなく、地域の人々や環境との関わりを通して日々発信されています。
あなたの日常にも、小さな笑顔とアップサイクルの心を取り入れてみませんか?
和歌山・有田川町で出会える「SIL」の道具には、その願いが込められています。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。